なるべく投薬せず、からだが一定の状態を保とうとする能力を利用して病気ではなく患者さまを治すことを目標にしているクリニックです。
現在の医療は「臓器ごとに疾病を治療する」診療科制になっています。しかし、ヒトの体は部品の集合体ではありませんので、慢性疾患の場合は部品(臓器)を修理しても全体(個体)として改善しないケースが多々みられます。
このクリニックでは、臓器ではなく 、また個体だけでもなく、食生活(腸内細菌との調和)、睡眠、運動、生活リズム(太陽光との関係)など、患者さまの生活状況すべてを眺めて体の不調を治すことを目指しています。
「睡眠」「食事」「運動」3つのアプローチで調和をはかります。
睡眠においては夜だけではなく日中の過ごし方が大切です。光を利用することで体内リズムを正常化するのもその一つです。食事においては添加物や砂糖摂取を極力少なくし、発酵食品を多く摂る。「食事」でもリズムを作ります(腹時計)。「運動」は大切ですが、その時姿勢も忘れてはなりません。
この3つを整えることで、ガンやさまざまな疾患、パーキンソン病から認知症までをも改善が期待できます。
睡眠薬は常用すると決して睡眠は深くなりません。眠れない場合は、日中の過ごし方を改善する必要があります。また睡眠時無呼吸低呼吸症候群(SAHS)は何か病気を持っておられる方にとっては注目すべき病態です。深い睡眠はどの薬よりも優れた治療方法になるからです。腎疾患、心疾患の進行を防ぐにはSAHSを是正することがやっと日本でも重要視されてきました。深い睡眠はその他、認知症、糖尿病、高血圧、線維筋痛症、各種神経痛、パーキンソン病、リュウマチ用関節炎、うつなど、ほとんどの病気でその進行を抑止することが知られつつあります。診断が難しい睡眠時低呼吸(大きないびきはない、痩せている)の発見を当院では重視しています。
ヒトは光と食べ物と共に進化してきました。食べ物に含まれている栄養素と合わせて、私たちと一緒に生活している腸内細菌の重要性が認知されてきました。最近では、腸内細菌が、癌免疫、心疾患、腎疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、うつ病、自閉症などと関係すると言われています。腸内細菌はまさに食べ物によって決定します。妊婦の時の食事、そして離乳食の食事でそのヒトの腸内細菌が決定しますので、お母さんになる方はそこを意識して頂きたいです。お元気な方は何を食べていても良いかもしれませんが、病気になったらまず食生活を注意しましょう。どんな病気でも食事療法は有効です。
高齢者の方の場合、ジムで筋力を一律に鍛えれば良いかと言えばそれは疑問です。腰痛、肩こり、膝や股関節の痛み、外反母趾などは姿勢や歩行の仕方などに問題がある場合が多いと思います。体の筋骨格ネットワークは筋膜連携により成立していて、体は一つのシステムであり、部分のみのアプローチでは結局うまくいかないのです。体(筋肉)がスムーズに動くためには、筋肉を包む薄い組織膜「筋膜」の滑りの良さも重要です。筋膜リリースは、筋膜の滑りを改善しつつ、低下した筋力の出力を上げる(運動療法)ことで、体の姿勢や動きを整えていきます。
太陽光とともに進化してきた私たちは日に当たることは大変大切です。お昼間に太陽光にあたりながら散歩することは、睡眠薬を服用するよりも体内リズムを整えて良質な深い眠りにつながります。それでもリズムが出ない場合は高照度光治療法で体内リズムを整える方法も有効です。
食生活の改善で体内リズムを整えていきますが、食事には好みがあり変更は大変難しく時間がかかりますので、当院ではオゾン注腸療法で腸内の嫌気性菌を減らすことも行います。パーキンソン病、腎疾患、緑内障、癌、黄斑変性、網膜色素変性症、糖尿病などの疾患において安全で有効な方法です。
最近メディアでも話題になっている筋膜リリースとは、「筋膜を体全体にわたる張力ネットワーク」と考え、身体全体のバランス(硬く短くなった筋を和らげ、伸びた筋は鍛える)が得られるように筋膜にアプローチする手法です。痛みや不調がある箇所のみを治療するのではなく、体全体の問題として捉え不調を整え、腰痛や肩こりの改善に効果があるといわれています。「筋膜リリース」の治療では、姿勢や歩行のバランスや筋の硬さなどを診察し、優しく触れるだけですので痛みなどはほとんど感じられることはないかと思います。筋膜リリースを行いながら、その方にあった日常の運動や散歩について提案させていただきます。